ソフトバンクテレコム専務「クラウドは本来、余っているリソースを貸し出すことで始まった」

[前編]1日8億件の基盤をクラウドに流用 「お客様が神様」の他社は高く付く - 編集長インタビュー:ITpro
ソフトバンクテレコム 取締役専務執行役員 兼 CISO阿多氏


クラウドは本来、余っているリソースを貸し出すことで始まったサービスだったはずです。グーグルにしてもヤフーにしても、毎年、何万台の規模でサーバーを増強しなければならない。これは止められないのです。例えば、ある時期に5000台ぐらい空いているときがある。ならば「お客さん、これ使う?」というのが、本質的な論理です。

 難しいのは、お客さんの要望と当社のスペックが100%合うなんていうことはないということです。だからといって、100%うちの言うことを聞いてくれないとだめ、というわけではありません。当社のサービスの仕様や運用方針をお客様に提示して、どの辺までが譲れるのか、相互に理解をして、仕様をすり合わせていく必要があります。パッケージソフトのように、当社の仕様に合えば合うほど、お客様のほうも楽ができるというわけです。

 当社には文字通り、データセンターと回線が売るほどあります。クラウドのためにわざわざ仕入れたインフラを使うサービスは、結局は高く付きます。大手コンピュータメーカーがお金をもうけようと思って仕入れたインフラを使うサービスの場合、お客様は仕入れ値より高く買うことになるんでしょうね。クラウド事業者が、売るためにわざわざインフラを買っていたらダメですよ。これじゃ投資を回収できない。


―何でもやりますと言っていては、結局どっちのためにもならない、と。


 ならない。言葉はよくないかもしれませんが、「お客様第一で何でも要望を聞きます」という商売をしちゃうと、実はお客様が一番お金を払うことになるんですよ。

本質をついていますね。
大手メーカーがプライベートクラウドとか言ってますが、ただシステムを専用ソフトからブラウザなどWebサービス型(しかも社内イントラが主)にしようとしてるだけに見えるし。
自らのキャリアやWebサービス業こそがクラウドを担うべきだと言いたいわけですね。
なかなか説得力あります。