スペイン人が大学を選ぶ基準は「家から近いこと」

昨日のサッカー日本代表おしかったですね。
今回のW杯は結構楽しめたのではないでしょうか。

もし、昨日勝っていたら対戦することになっていた、スペインのお話。

たまたまネットサーフィンしていたら見つけたブログをご紹介です。
地中海ブログは、スペイン・バルセロナで州政府のお仕事をされているcruasanさんのブログです。

スペインの大学ランキング:総合ランキングではなく、学部間で競い合うというシステム | 地中海ブログ(抜粋)

  • スペインで重要な事は「何処の大学を卒業したか」ではなくて、「大学を卒業した事」と「どの学部を終了したか(タイトルを持っているか)」の2点です。
  • スペインの現行の教育システム(2009年現在)では、高校の最終年度に希望大学と学部を10個くらい書いて、夏前に行われる全国共通のセンター試験(selectividad)みたいなのと最終年度の成績と合わせて、成績の良い人から順に希望の所へ入るというシステムを取っています。
  • 「どの大学を選ぶか?」という評価軸なのですが、コレがかなり面白い。どの大学へ進学するかを決める彼らにとっての最重要事項、それはずばり、「家から近い所」です。
  • 彼らにとって、大学の名前よりも重要な事。それは家族や友達と過ごす時間なんですね。だから3年前から受験勉強もしないし、浪人も一般的ではありません。
  • もう一つの決定的な違いは、大学の評価が学部単位になっている事ですね。日本のように何でもかんでも東大(京大)が一番という事はありません。

グローバリゼーションの中におけるローカリゼーション:何故カタルーニャの戦略は次々にポジティブな結果を生んでいるか? | 地中海ブログ
スペイン人は大学を選ぶ際、自分の住んでいる街から出る事は先ずありません。自分の住んでる街に大学が無かったり、行きたい学部が無かったりした場合に限り、同じ州にある大きな街に行ったりするのですが、その場合には、毎週末に家に帰れる事が絶対条件になります。


何故ならスペイン人は「スペインが世界で最高の国」だと信じ込んでいて、更に、自分が生まれ育った町や村はそんな最高のスペインの中でも「最も住みやすい場所」だと確信しているからです。それほど自分が育った街や村に愛着を持ち、誇りを持って生きている民族、それがスペイン人なんですね。極端に言うと、彼らはものすごく狭い世界に生きていて、その中からナカナカ出ようしません。だから自ずと、「自分達が住んでいる街や自分達が住んでいる地区をより住みやすくしよう」というコンセンサスが全市民の間に取り易く、全ての力がそちらの方向に向かって行き易いんじゃないのか?と思う訳です。「自分が動かないんだったら環境を良くしちゃえ」と、まあ、単純なんだけど、僕的にはちょっと目から鱗的な逆転の発想な訳です。


そしてその根底にある考え方や価値観の基礎になっているのは間違い無く、「家族と友達」です。彼らは人生の中における最も重要な事項の一つとして、「家族や友達と過ごす時間」に比重を置いているんですね。


何故スペイン人は自分の家から遠く離れた大学には行かないのか?それは、そんな所に行ったら家族や友達と会えなくなるからです。そう、彼らにとっては、「良い大学に行って名声を獲得したり良い企業に入って沢山お金を稼ぐ事」なんかよりも、「大切な家族や気の知れた友達と一緒に楽しく過ごす時間」の方が何よりも大切なんですね。つまり日本人とは価値観が全く違うと言う事です。


何時も言うように、これはどちらが良くてどちらが悪いとか、どちらが優れていてどちらが劣っているといった問題ではありません。ただ単に両者は違う価値観に基ついている、ただそれだけの事です。


こういう事を真っ直ぐな目で語りかけてくる時ほど、スペイン人が魅力的に見える瞬間はありません。


何時もは仕事サボってたり、人に仕事を押し付けて自分だけ先に帰ったりして、憎っくきカタラン人なんだけど、彼らの生き方を見ていると、とっても人間らしくて、忙しい毎日の中で僕が忘れかけていた何か大切なものを、日常のふとした一言から思い出させてくれるような気がします。


近年グローバリゼーションが進行する中で各都市が己のポジションやビジョンを打ち出そうと必死になってるけど、カタラン人が無意識にも示しているこの姿勢は、グローバリゼーションの中におけるローカリゼーションの問題にある一つのモデルを示している様な気がします。勿論それは他の都市がコピー出来る様な物ではないのですが、やはり、「僕が彼らから学ぶべき事はまだまだ山程ありそうだな」と感じる今日この頃です。


国民性の違いと言ってしまえばそこまでですが、スペイン人の考え方素敵です。
学歴を追求し、仕事に追われ、定年を迎えたら何も残っていない人生にはしたくないですね。