ヤフージャパンの検索エンジンはMSではなくgoogleに

膨大なネットの情報整理には検索エンジンが欠かせないのは今や周知の事実です。
ヤフージャパンは検索エンジンgoogleにするようです。

グーグル、検索でヤフーと提携 国内市場で圧倒 :日本経済新聞
 インターネット検索で国内最大手のヤフーは27日、同分野で世界最大手の米グーグルと提携すると発表した。年内にも検索サービスの基本技術となる「検索エンジン」を、従来の米ヤフー製からグーグル製に切り替える。米ヤフーは、米マイクロソフト(MS)と検索分野で提携している。グーグルは「MS・ヤフー連合」から日本のヤフーを奪う格好になり、日本のネット市場での存在感を一気に高める。

 ヤフーは、グーグルの検索エンジンを核に独自サービスを開発して日本のネット利用者に提供する。検索サービスと連動してネット広告を掲載するシステムでもグーグル製を採用する。ヤフーはグーグルに検索エンジンなどの利用料を支払う。

 国内のネット検索シェアはヤフーが53%、グーグルが37%。世界の主要国で圧倒的な検索シェアを握るグーグルにとって、日本と中国は首位に立てない数少ない市場だ。今回の提携によりグーグルの日本での検索シェアは実質9割を占めることになる。

 米ヤフーとソフトバンク合弁会社として1996年に設立された日本のヤフーはこれまで、「本家」の米ヤフーが展開する最先端ネットサービスを日本にいち早く持ち込み、市場を席巻する手法で国内ネット最大手の地位を守ってきた。

 ただ、米ヤフーはグーグルの猛攻を受けて米検索市場で苦戦し、業績も低迷。日本のヤフーの時価総額は約2兆400億円で、米ヤフーの時価総額(約1兆7000億円)を上回る。同日発表した4〜6月期決算でも日本のヤフーの純利益は216億円で、米ヤフー(約186億円)を上回るなど「親子逆転」も目立ち始めていた。

 米ヤフーは09年7月、多額の投資が必要な検索エンジンの自社開発を事実上断念し、MS製に切り替えることで合意。このため日本のヤフーも、検索エンジンをどうするか検討を進めてきた。ヤフーの井上雅博社長は27日の記者会見で、MS製のエンジンについて「日本語対応の遅れがあった」と指摘。グーグル製の方が検索精度や速度に優れると判断したもようだ。

 米ヤフーは日本のヤフーに34.8%を出資している。検索技術が切り替わることで業務上の関係は薄まるが「米ヤフーとのそのほかの関係は変わらない」(井上社長)と強調した。

 一方、米ヤフーとの提携で世界検索シェアの巻き返しを図る米マイクロソフトにとっては誤算になる。同社幹部は27日、グーグルと日本のヤフーの提携について「痛手だが先行きは心配していない。当社の検索サービス『ビング』は順調に利用者が増えており、これまでの戦略を粛々と進める」と語った。

 検索サービスにおける市場独占の懸念についてヤフーの井上社長は「ネット上の見え方は(グーグルと)まったく違うものになる」と主張する。広告分野でもヤフーとグーグルは広告主や広告のデータを完全に分離して保持。営業面では引き続き競争関係を維持するという。「事前に公正取引委員会に相談しており、問題はないとの確認を得ている」と話した。

 公正取引委員会は両社の業務提携について、当面は静観する構え。今回は資本提携に踏み込んでおらず、企業結合審査とはとりあえず関係ないと判断しているためだ。ただ、国内の検索シェアが9割を超えることで市場支配力が高まり、ネット広告の料金をつり上げることなどがないかを注視する方針。