特定看護師の導入提言<キズ縫合や投薬可能に>

日本経済新聞 3月20日
厚生労働省の「チーム医療の推進に関する検討会」は19日、看護師が医師の指示を受けて実施できる医療行為の範囲を広げる「特定看護師」(仮称)の導入を提言する報告書をまとめた。初期救急や在宅医療などで検査や投薬などの判断ができるようになる。報告書では安全を確保したうえで試行的に実施し、将来的に法制化を視野に入れた対応を求めている。
同省は昨年8月に検討会を設置。医師の負担軽減や医療の質向上を図るため、医師と看護師や薬剤師らの連携を高める方法を検討していた。
報告書では、特定看護師が医師の指示を受けて実施できる「特定の医療行為」として、患者の重症度の判断(トリアージ)のための検査や超音波検査、エックス線、コンピューター断層撮影装置(CT)など検査の実施時期の判断を例示。傷の縫合などの処置や人工呼吸器を使っている患者への酸素投与量の調整も挙げた。


特定看護師は

  1. 看護師としての一定の実務経験
  2. 特定看護師の養成を目的とする大学院修士課程の修了
  3. 三者機関による知識・能力・技術

の確認と評価を受けることを資格の条件とした。
実務経験を応じて修士課程の代わりに短期間の研修でも認めるなど弾力的な対応も求めた。


現在看護師は、医師の指示がある場合、医療行為を補助できるが、補助できる範囲が明確になっていないことが多い。
「特定看護師以外の看護師が可能な業務範囲も検証すべきで、法制化が望ましい」と報告書は指摘。

医師の指示を受けずに医療行為を行う「ナースプラクティショナー」は米国では導入されているが、報告書では「必要性も含め慎重な検討が必要」とした。


大学の観点から述べます。
私の知り合いの看護師は、医学的な判断を看護師に求められる時代に不安を感じています。

これまで3年生の専門学校中心であった看護師の養成機関が、4年制大学に移行しつつあります。
現場研修と国家試験に追われる3年間から、少しのゆとりがあり、一般教養も含め学べるというのがウリです。
看護師不足を不安に思う、地方自治体の公立大学の新設。短大や専門学校昇格。
病院経営の専門学校を4年制大学に改組する例。
そして、受験生確保に悩む私立大学が切り札として。

おそらく、特定看護師養成しようとする方向性は間違いなく進むでしょう。
ですから、現役看護師さんの再教育の場としても大学が見直される可能性があります。
これからさらに参入が増える可能性もありますね。