iPad無償配布で売名行為?名古屋文理大学

asahi.com(朝日新聞社):来春入学生にiPad配布へ 名古屋文理大、講義に活用
名古屋文理大(愛知県稲沢市)は14日、情報メディア学科に来春入学する学生全員に、米アップル社の新型携帯端末「iPad(アイパッド)」を無料で配布すると発表した。講義資料のデジタル化や、学生と教員のコミュニケーション手段として活用する。

 同大によると、国内の大学で学生にアイパッドを無料配布するのは初めてという。同科の入学定員は100人で、購入費用は約500万円。情報分野に力を入れていることをアピールし、受験者の増加にもつなげたい考えだ。

 同科の学生はこれまで、米アップル社の多機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」用のソフト開発を手掛けるなどしている。同学科長の長谷川聡教授(情報科学)は「学生の新鮮な発想を生かして、新しいソフト開発にもつながれば」と期待する。

名古屋文理大学 情報メディア学科iPad無償配布(23年度入学生)(2010/05/14)
名古屋文理大学では、5月14日、情報メディア学科に来春(平成23年4月)入学する新入生全員にiPad(アップル社、5月28日発売開始予定)を無償配布する計画を発表しました。(中略)

今回、新しいモバイル端末であるiPadを教育に導入することで、学生となるみなさんが、新しい情報技術を体感して、次世代の情報社会への想像力と創造力を伸ばす機会としたいと考えています。
また、学生プロジェクトによる新しいサービスの提供やコンテンツの開発にも取り組んでいきます。

このような未来志向の教育を目指して、まだ日本では未発売の時期にiPadの導入をいち早く決めました。iPadを学生に無償配布する大学は国内では初めてです。

名古屋文理大学 iPad教育利用研究会を実施
名古屋文理大学情報メディア学科では、来春のiPad導入に向けて、「iPad教育利用研究会」を立ち上げました。
情報メディア学 の本多一彦先生を中心に、主に情報メディア学科の教員で勉強会を実施し、来年度新入生に無償配布するiPadの授業などでの活用の準備を進めていきます。(中略)
勉強会は、今後も定期的に続ける予定で、来年の本格導入を目指して、準備を進める計画です。
なお、この勉強会の様子の一部は、学生によるアプリケーション開発の取り組みの様子などとともに、5月30日(日)朝7:30からのフジテレビ全国ネット「新報道2001」で紹介される予定です。

配布が無償であるわけはない(学費にインクルードされてるでしょ)との突っ込みはおいておいて、このような大学では兎に角「日本の大学で初めて」という称号が重要なのでしょう。
そういう意味では、名古屋文理大学の迅速な対応は称賛に値します。
同様にiPad導入を考えていた大学は指をくわえているかもしれませんね。
あくまでアップル・iPadの名を借りて、ただ機器を無償配布して、その機器を使って授業するだけですから、本来は当該大学が何か事を成したわけではありません。
が、虎の威を借りてはいるが、「何か最新のことをやっているような」イメージを得て、受験生などの評価を高めようという算段ですね。
名古屋文理大学というのを初めて聞く人にもアピールになります。
さすが、PR学科を持つ名古屋文理大学です。作戦勝ちです。

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1999年開学の新しい大学です。
名古屋文理大学という名前ですけど、名古屋にない大学なのですね。
短大が名古屋市内にあって、大学は稲沢市という少し離れたところです。


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名古屋駅から35分程度、近隣の駅から徒歩15分ならばまずまずのロケーションですね。

学部 学科 収容定員 在籍者数 充足率
健康生活学 健康栄養学科 320 324 101%
健康生活学 フードビジネス学科 280 151 54%
情報文化学 情報メディア学科 400 362 91%
情報文化学 PR学科 160 15 9%
合計 1,160 852 73%

*2009年5月1日現在


2000年に新設したPR学科が特に苦戦してますね。
PR学科のPRが下手だから学生が集まらないでは、説得力ないですね(笑

http://www.nagoya-bunri.ac.jp/department/information/pr.html
PRとはPublic Relations(パブリックリレーションズ)の略で、企業や自治体などの団体が一般社会との信頼関係を築くために行う広報活動=コミュニケーションのこと。PR担当者は、企業と社会とを結ぶコミュニケーションのプロといえます。PRを取り巻く幅広い知識とスキルを身につけ、PR部門のキーパーソンをめざします。
また、PR学科では広報・PRだけではなく、広告、出版、マスコミ業界などコミュニケーション全般について詳しく学ぶことができます。将来、広告代理店やテレビ局、出版社などをめざすのに必要な知識とスキルを身につけることができます。

高校生特にあまり偏差値の高くない学生に対しては少し専門色が強すぎてイメージしずらいのでしょう。
それをPRできるような技術を持った教員が多いはずなのに。。。笑


さて、2010年の入試結果は公表されていないようなので、正確には分かりませんが、今年も苦戦しているのは間違いないでしょう。
PR学科は無くなってしまうかもしれませんが、iPad無償配布効果でどれほど受験生を集めるかは注目ですね。