中国とアフリカ、日本のODAとの違い

ワールドカップ南アフリカ大会が始まりました。
その辺の話題として。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100531/214692/
佐藤
 なるほど。欧米の得意なルールメイキングで日本はタイド援助からアンタイド援助になり、日本は途上国のインフラ整備をするにもお金だけ出して受注は欧米企業という、妙なスタイルが多くなったわけですね。理不尽ではありませんか? 日本はこのまま見ているだけでいいのでしょうか?


竹内
 そうなんですよね。例えば、京都議定書についても同じような側面があるのではないでしょうか。仮に京都議定書において二酸化炭素削減に法的な義務が課された場合、日本は排出権を欧州諸国から購入するという形で負担をしなければならなくなる可能性があります。もちろん環境問題に真摯に取り組むことは重要なことですが、国際的なルールの中で日本があまりにも不利な立場に追いやられることは避けなければいけません。


佐藤 
 中国は国家戦略の下、ODAも戦略的に実施してレアメタルをはじめ資源の利権や食糧を獲得し、アフリカの票も獲得しているそうです。

 まず、中国はOECDに加盟をしていないため、開発援助はすべてタイドとして中国企業が受注することとなっています。このような国の後押しもあり、現在、アフリカに進出している中国企業は1000社に上り、アフリカ在住中国人は100万人近くと言われています。また、中国の対アフリカ援助の歴史は長く、実は毛沢東の時代から行なわれているのです。アフリカ諸国を味方につけ、国際情勢の中で中国を有利な方向に導きたいという思惑があったのだと思います。

 例えば、1971年に中国が中華民国に変わり常任理事国入りを果たしたのは、アフリカからの票を集めることができたからだと言われています。また、アンゴラが中国にとってサウジアラビアに次ぐ第2位の原油輸入先となっているように、現在は資源獲得という点からもアフリカ進出を重視しているようにも見えます。

 象徴的だったのが、2006年に北京で行われたアフリカサミットにて、アフリカの53カ国中、閣僚級も含めて実に48カ国が参加し、胡錦涛主席のもとを訪れたことです。中国はそれだけアフリカを取り込むことに成功しています。ただし、一方で中国は内政不干渉の原則を盾に、独裁政権で人道的な問題が指摘されているジンバブエや、ダルフール問題を抱えるスーダンなどの国に対しても開発援助を行なっていることから、国際社会から強い非難を浴びています。
(中略)


佐藤
 日本は資源に乏しい国です。また現在の世界経済の牽引役は中国ですが、その中国企業の多くは今、次の新興国となるアフリカの市場としてのニーズを見込み、既にかなりの企業が進出する傾向にあります。例えばですが、既に中国はブラックベリーのコピー商品である「ブロックベリー」をアフリカ各地で大量に売り出しており、そのキャラクターにケニアがルーツのバラク・オバマ米大統領の写真を無許可で使って「YES, WE CAN」というキャッチコピーで大量に売り出しているそうで(笑)。

 また、孔子学院という中国語の語学学校をアフリカのほとんどの国に作っており、中国の国営放送をアフリカでも見られるそうです。そのせいで、何万人ものアフリカ人学生が中国に留学しています。資源国であり、今後の大きな市場にもなるアフリカとの関わりは、今後どうあるべきでしょう?


竹内 
 中国の孔子学院の話については驚きですよね。既にアフリカに23校を設立し、ソフトパワーの浸透を図っているそうです。中国がそこまで中国に肩入れする理由としては、中国がこのまま発展を続けて、13億人を養っていくためにはアフリカが必要不可欠という事情があるからでしょう。日本も国として長期的な国家戦略を描いて、その中でどうアフリカと関わっていくべきかを考えるべきですが、そもそも成長戦略は策定されるものの着実に実施されてこなかったのではないかという指摘もあります。

 開発援助の面ですと、日本もアフリカ重視の姿勢を出しており、2008年にTICAD4(第4回アフリカ開発会議)を立ち上げ、アフリカへ今後5年で最大40億ドルのODA支援を表明しています。ただし、中国は翌年にはアフリカ支援として日本を上回る100億ドルもの低利融資の実施を表明しています。

 中国のアフリカ援助に関しては、アフリカの経済発展という面においては、先進国の「援助主義」よりも中国の「市場主義」のほうが優れた効果を挙げているという評価もあります。援助とともに、中国とアフリカ間の貿易、対アフリカの直接投資が増加し、中国製品がアフリカに流入することでアフリカの経済を活性化させる。かつての日本が東アジアで展開した手法を、今度は中国がアフリカに対して行なっているということが言えると思います。


先日NHKスペシャルでも放送してました。
サッカーのワールドカップ南アフリカで開催されるという時期であるというのもありますが、最近アフリカは最後のフロンティアとして注目されています。
日本とアフリカは距離もそうですが心理的にも遠いです。
私もアフリカ大陸には訪問したことがありません。是非行ってみたいとは思っていますが。
アフリカは独裁や貧困ばかりではなく、着実に中間層が育っている地域もあります。
次のASEANになる世界にとって大切なマーケット。
そんな地域とどのようにパートナーシップを作っていくか。
中国は中国のやり方で、日本は日本として出来ることをしなくては。
これからの課題ですね。