同朋大、名古屋音楽大、名古屋造形大が合併して「同朋芸術文化大学」へ

中日新聞:同朋大など3大学を統合 経営母体、12年度めど:社会(CHUNICHI Web)
同朋大(名古屋市中村区)、名古屋音楽大(同)、名古屋造形大(愛知県小牧市)の3大学を経営する同朋学園名古屋市中村区)は、2012年度を目標に統合し、一つの大学として再出発することを決めた。新大学の名称は「同朋芸術文化大」とする予定。名古屋造形大のある小牧キャンパスは将来、閉鎖する方針で、学園は小牧市から撤退する。
 同朋大によると、名古屋音楽大を新大学の音楽学部、名古屋造形大は同じく芸術学部とし、同朋大の文学、社会福祉両学部と合わせて、4学部からなる新大学を発足させる。
 学生数は現在の3大学を合計した人数と同じ約3000人。同朋大と名古屋音大のある名古屋キャンパスに、全学部を一元化する。学園は現在、カリキュラム編成や校舎の改築など統合に向けた準備を進めている。
 少子化の影響などから3大学は学生数の減少が続き、いずれも定員割れしている。08年度の事業報告書によると、名古屋造形大は1割以上、入学者が定員割れしており、学園側はJRの最寄り駅からバスで約20分と交通の便が悪いことも学生確保が難しい一因と分析。都心にキャンパスを集約することで志願者増を目指す。統合でキャンパスの維持費や事務部門などを合理化し、経費の節減も図る考えだ。


この3大学の統合自体は既定路線だったようです。

平成19年7月付同朋大学 自己評価報告書 P81
2006(平成18)年12 月の理事会で「三大学統合」を決議した。2012(平成24)年度新大学設置を目標に、文部科学省との相談も含め、検討を開始するというものである。これは究極の改革、更なる改革の起爆剤となる改革である。大学統合とキャンパスのリニューアルという内外両面の改革によって劇的に復活できるかどうかも、じつは学園を構成する教職員一人一人の努力と、いかにベクトルをあわせモチベーションを高めていけるかにかかっているのである。

などをはじめ、そこかしこに「3大学統合」の話が出てきます。

大学名 開学年 学部名 入学定員 収容定員 在籍者数
同朋大学 1950年 文、社会福祉 260 1080*1 1020
名古屋音楽大学*2 1976年 音楽 180 720 618
名古屋造形大学*3 1990年 造形 260 1040 980
合計 700 2840 2618

※情報公開がなされていないため、在籍者数は2008年5月1日時点
*1 社会福祉学部社会福祉学科3年次編入定員枠20名
*2 名古屋大学は、名古屋市内にある唯一の音楽大学だからこそのメリットがあるそうです。
*3 名古屋造形大学の短大は2007年3月募集停止。名古屋造形芸術大学から2009年4月に現在の校名に変更。


現状としては他の大学に比べればそんなにひどい状況には見えません。
ですが、これからさらに厳しくなるという危機感があるのでしょう。


名古屋造形大学の小牧キャンパス、「東京ドーム約8個分、約11万平方メートルものスケール。」()だそうですが、場所は確かに良くないですね。

大きな地図で見る

バスで20分以上ですね。
近くに愛知文教大学がありますが、名古屋造形大学の撤退はこちらにも影響がありそうです。
地域の活気が低下することは間違いありません。
同じ浄土真宗大谷派の大学のようですが、このキャンパスを買い取るほどの体力があるとも思えません。

愛知文教大学学生数 2008年5月現在

定員 在籍数 充足率
680人 342人 50%

(平成20年年度事業報告より


同一法人で3つの大学があって、それが同一地域にあるならば統合は有効な手段ですね。
事務部門やシステムなど経費節減効果はあるでしょうし。
ただ、音楽、芸術、文系学部では教員同士はなかなか相容れなさそうですが。
今後はこのような同一法人だけではなく、地域内での統合など生き残りを図る上で考えられるでしょう。


新大学名称案が「同朋芸術文化大」というのも再考の余地がありそうです。
音楽や福祉系の学部があるようにも思えないですし。
いっそのこと名古屋SUN大学とか名古屋同朋大学とかどうでしょ。


※2010年6月12日追記
毎日新聞によると小牧キャンパスからの撤退は2012年の段階ではなさそうであるとの報道あり。

同朋学園:運営3大学、12年春統合へ- 毎日jp(毎日新聞)
新大学の学部構成は、現在3大学にある計4学部を基に検討しており、統合後は、造形大の小牧キャンパスを造形学部が、名古屋キャンパスをその他の学部が使用する方針。
当面は2キャンパス体制を維持する考えだが、小牧キャンパスの名古屋への移転についても「将来に向けて検討している」と話している。