危ない大学・消える大学 2011候補校を見てみよう<芦屋大学編>

危ない大学・消える大学 2011 ランキングの日記にて
【N】危ない大学・消える大学の候補校に挙げられた芦屋大学の状況を確認してみよう。
芦屋大学

兵庫県芦屋市六麓荘町。1964年に設置された。
歴史もそれなりにある大学。
駅から徒歩30分、バスで15分程度。
場所が悪いのは高級住宅街だからしょうがない。
臨床教育学部と経営教育学部の2学部。

在籍者数 収容定員 収容率
臨床教育学部 327名 640名 51%
経営教育学部 119名 360名 33%
446名 1,000名 45%

※2009年5月1日現在

2009年入学者は定員250名に対し、95名。充足率38%!
系列の芦屋女子短期大学も、定員割れで、収容定員240名に対し、在籍者130名。

この定員割れ具合は尋常ではない。
ちなみに、付属の中学、高校も定員割れしており、
2009年芦屋大学付属から芦屋学園中学、高校に校名変更した。

ただし、この現状にも関わらず先日公表された、
(愛国学園大・甲子園大「定員不足」、東亜大・日本薬科大「収支改善」などで日本高等教育評価機構判断保留 - TK独り言)
この評価に芦屋大も申請したが、「適合」となっている。
甲子園大学と状況はほとんど変わらないと思われるのだが。
定員の過半数も充足できていないのに、なぜか芦屋大学には日本高等教育評価機構は優しい。
何かを勘繰りたくなるほど言い回しに差異がある。
評価結果の中身を抜粋する。

学生募集の状況について、現状では定員が未充足であり、経営改善に向けて積極的な努力が必要である。ただし、実際には、教職員の少人数教育への熱心な取組みにより、定員未充足状況が教育の質の低下をもたらしていない。

今日、大学評価の重要な指標のひとつであるステークホルダーの満足度は特筆に値し、個性豊かな学生を非常に丁寧に指導しており、実に優れた学習支援活動が実現されている。

学生数については、平成12(2000)年以降、収容定員を下回る状況が続いている。入学者増加を目指し、新コースの設置による改組、編入生・留学生・特待生など各種の入試制度を採用する改革がスタートした。結果、微増はしたものの、定員の充足をされておらず、今後の早急な対応が望まれる。
平成20(2008)年以降、入試改革が実施され、「芦屋学園発展のための中長期計画」においても定員充足対策が示されているが、アドミッションポリシーの見直しも含めて、より適切で有効な募集活動や入試方法による定員充足に向けた改善が必要である。

http://www.jihee.or.jp/kikanbetsu/2010/07ashiya.pdf

関西随一の高級住宅街、兵庫県芦屋市六麓荘町の中心高台に位置する、日本でも特異の大学だ。
強烈なブランドをもっている。

平成19年度 自己点検評価報告書には以下のような記載が。

創立者のカリスマ性は、多くのオーナー経営者層から支持され、高額な学費設定にも関わらず、多くの学生が集まった。同時に多額の寄付金が集まり、他の大学とは趣を異にする雰囲気があった。また、その教育の成果によって、多数のオーナー経営者を輩出してきた。その創業者を失い、学舎の本館を阪神淡路大震災で失い、支持層であるオーナー経営者層をバブル経済の崩壊及び震災により失ったのである。求心力を失った学内は、しばらく混迷状態にあったが、2 代目理事長福山起彌(創立者夫人)を中心に、教授会が主導する形で大学運営が進められた。
しかしながら、少子化の影響を受けることを予想しつつも、教授会主導体制は自己改革力を持ちえず、大学の経営改革は十分とは言えなかった。すなわち、従来なかった就職支援体制の設置、学費値下げ、寄付金の廃止などの変革にとどまり、効果的な少子化対応策を打ち出すことができないまま、過去の蓄積に頼る大学運営が行なわれてきた。
(中略)
平成 19(2007)年度から根本的改革を行い、従来の教育学部の単科制を「臨床教育学部(教育学科・国際コミュニケーション教育科・児童教育学科)」と「経営教育学部(経営教育学科)」の2 学部4 学科制に変更した。しかし、学費、寄付金が高いというイメージは容易に払拭できず、その特長が学生募集に効果を発揮するには、なお時間がかかりそうな状況にある。

なるほど。
昔は金持ちドラ息子を相手にしてれば、高い学費も、寄付金もたんまりくれた。
大学が一般化し、全入時代の今、バカ息子も芦屋大学じゃなくてもう少しよさそうな大学は入れるようになって、閑古鳥が鳴いている。
だが、学費が高いとかバカ息子が入る大学というイメージを払しょくするのに苦労している。
ということですか。

改革の方向性ってそっちなのでしょうか?
一般大学化を目指すのでしょうか。
個性化が教員養成、特別支援教育が理解できる教員って。
そのような人が芦屋の高級住宅街に学びに来る可能性は低い気がします。

逆ではありませんか?
金持ちの金持ちによる金持ちのための大学に特化しちゃった方が良いのではないでしょうか。

オーナー経営者の息子に帝王学を教え、人脈を創れる秘密クラブ的な大学。
愛子様いじめ問題は学習院初等科に一般家庭の子供、成り上がりが入ってきたことが原因とみる向きもあります。
そこで、逆に閉鎖的な金持ちクラブの学園とするのです。

しかし一度地に落ちてしまった学園に金持ちを集めるのは難しいです。
ここも滅びゆく運命か・・・・
いくら不景気とは言え、この大学の土地は価値ありますぜ笑