鳥取環境大学〜定員割れ大学を入学式報道から探ろう(18)

鳥取県鳥取市鳥取環境大学です。
鳥取県に大学は2校、国立の鳥取大学と私立鳥取環境大学です。

2010年度 鳥取環境大学入学式を挙行しました
平成22年4月4日  本学講堂にて、2010年度鳥取環境大学 学部・大学院入学式を挙行いたしました。(中略)
その後、学長から150名の学部生(編入生1名含む)と13名の大学院生への入学が許可され、(後略)

入学定員 入学者数 充足率
環境情報学 276人 149人 54%

昨年度在籍者(2009年4月1日時点)が退学・留年せず、そのまま卒業・進級したと想定すると以下が在籍者数となります。
(参考:http://www.kankyo-u.ac.jp/photolib/general/P00333.pdf)

定員 在籍者数 充足率
環境情報学 1200人 606人 50%

相当危険水域に入っていますね。
県に2校しか大学がなく、実質県内には競合がいないのも関わらず。
やはり地方、特に人口流出が続く県では国立大学への信仰がすごいのかもしれません。
また、若者も大学進学を機に県を脱出することが目標なのかもしれません。
それを防ぐための公設民営大学でしょうが。


この大学2001年に鳥取県鳥取市が折半で土地・建物などの創設経費を負担するとともに、県・市が中心となって新しく学校法人を設立し、その学校法人が私立大学として鳥取環境大学の運営を行っています。
そう最終的には公立大学となる手が残っているのです。

環境大公立化検討へ 改革案受け平井知事 - NetNihonkai-日本海新聞
入学者の定員割れが続いている公設民営の鳥取環境大学(古沢巌学長)について、改革検討委が公立化に変更する改革案をまとめたことを受け、平井伸治知事は22日の県議会本会議で、鳥取市と共同で検討・調査に着手する可能性を示唆した。これまで公立化に消極的な発言を繰り返してきたが、検討の前提として「学長や理事長から改革の決意を聞いてから」と述べた。


 鳥取環境大は県と市が出資して2001年度に開学したが、04年度から6年連続で定員割れ。古沢学長や理事会は打開策の一つとして、公立化に前向きな姿勢を見せ、08年に設置された検討委でも議論となった。


 平井知事は本会議で「今の議論は『公立化すれば何とかなる』と聞こえる面もある」と疑問を呈しつつ「むしろ大学側が血を流してでも、学生が入りたいという大学に変えたい思いがどれだけあるか。具体的な話を聞いてから検討を始めるべき」とした。
 その上で、現状は魅力ある大学づくりに欠けている点を指摘。「開学のころと比べて大学側の熱意が冷めている。改めてほしい」と訴えた。

と言いつつも、公立大学になるのが関の山でしょう。
これまで公立に転換して定員割れを解消した大学はいくつかあります。
授業料も安くなるし、特に地方では国公立ということでなぜか?評価も上がるし。


ということが鳥取環境大学の経営側が考えていることでしょう。
そりゃ楽ですよね。
ですが、鳥取県民の皆さんいいのですか?
私立のときでさえ大学には県が補助金を出しています。
公立大学となれば更に補助金が増えます、つまり皆さんの税金が使われることになります。


すでに鳥取環境大学の建設費100億以上は、県と市が払っています。
これをもったいないと考え、県立大学として継続し、税金を垂れ流しますか。
それとも、鳥取には大学は鳥取大学ひとつでいいとして、若者の流出を加速させますか。


野党政治家風でお伝えしました。