iPadでアピール(4)武蔵野学院大学

iPadでアピール(3)共愛学園前橋国際大学 - TK独り言に続きまして。

武蔵野学院大学です。

武蔵野学院大学 iPadを2011年度 新入生全員に無償貸与します
武蔵野学院大学(埼玉県狭山市、学長:高橋暢雄)は、来春( 2011 年4 月)入学する新入生全員に
アップル社製のiPad を無償貸与し、教育補助ツールとして活用することを決定いたしました。
首都圏の大学としては、初の試みとなります。


情報利活用に関するリテラシーを高めていくことが必要不可欠と考えています。
このため、本学ではコンピュータやインターネットを使いこなすための実践的教育にも力を注いでいます。
こうしたなかで、このほど発売されたアップル社製のiPad は、ICT(情報通信技術)を通じた学習ツールとして有効活用できるほか、大学と学生をつなぐコミュニケーションのための有効なインフラとなり得ると判断いたしました。
そこで本学国際コミュニケーション学部の2011 年度入学生全員(ただし、編入学者は除く)にiPad を無償貸与し、学内の無線LAN を通じて教職員と学生のコミュニケーション手段として有効活用するほか、講義等での活用も積極的に推進していく予定です。
本学では、こうして情報機器を使いこなしていく体験の積み重ねは、学生が将来大学を卒業し社会に巣立っていく際に、必ず役に立つものと考えています。

貸与となっているので、卒業後は返却するのか?
リース会社とかレンタル会社と契約した製品を使うのかな。


武蔵大学、武蔵野美術大学武蔵野音楽大学武蔵野大学など武蔵がつく大学がいくつかあります。
その一番後輩と思われるのが武蔵野学院大学です。
2004年設立の国際コミュニケーション学部(入学定員120名)のみの単科大学です。
埼玉県の狭山市にあります。駅からは相当遠いですね。バスは出ているようですが。


元々は系列の武蔵野中・高校が起源ですから「武蔵野大学」にしたかったのでしょうが、武蔵野女子大学が男女共学の際に武蔵野大学に校名変更して先に取られてしまったため、「武蔵野学院大学」になってしまいました。
(この辺りは水面下で喧々諤々のやり取りがあったかもしれませんね。詳細が知りたいところです。)


それ以外は特段特徴のない大学。。
ですからiPadはもちろんアピールのための導入となるのでしょう。
繰り返しになりますが、名古屋文理大学ipad導入の記事(http://d.hatena.ne.jp/reds-suppo/20100529/1275099592)に記載したように

あくまでアップル・iPadの名を借りて、ただ機器を無償配布して、その機器を使って授業するだけですから、本来は当該大学が何か事を成したわけではありません。

が、虎の威を借りてはいるが、「何か最新のことをやっているような」イメージを得て、受験生などの評価を高めようという算段ですね。

と同じ戦略であります。


もうひとつあげれば、箱根駅伝出場のため努力されているようです。
もちろんアピールのためでしょうが、選手集めも大変でご苦労されていそうですね。

福知山成美高 パンフレットに関西学院、立命館の校舎を掲載

福知山成美高に時計台あった? 学校案内に紛らわしいデザイン : 京都新聞
福知山成美高(京都府福知山市堀)が生徒募集のため京都府兵庫県内の中学校に今月配布した学校案内に、同志社大立命館大の校舎の写真が同高の校舎と紛らわしいデザインで掲載されていることが分かった。両大は「中学生に誤解を与えかねず驚いた。こんな使い方は許可していない」と批判している。

問題の写真は、表紙の次にある同高の教育目標や特色を記した見開きページに使われ、「新しい福知山成美高」として、校内での授業風景とともに、同大クラーク記念館と立命大存心館(時計台)の外観が説明なく掲載されている。


学校案内はコースの再編に伴って本年度からデザインを一新し、約1万部を各中学に配布していた。同高関係者によると、同高は府外からの受験者も多く、学校案内を事前点検した複数の教員が「錯覚させる」と指摘したが、学校幹部は対策せずに配布したという。

同高の玉木正弘校長は「意図的ではなかったが、近く両大学と提携を予定し、そのイメージを出したかったのは事実。回収は考えていない」と話した。

 これに対し、立命大広報課は「うちの校舎が『新しい成美高』のよう。無断使用ではないが、紛らわしい使い方はやめてほしい」、同大広報課は「提携の話はなく、不適切な写真使用とも関係ない。極めて遺憾だ」としている。


成美大学 募集停止を検討したが、とりあえず継続方針 - TK独り言
成美大学入学者もたった66人!と理事長のわかさ生活社長 - TK独り言
などで取り上げた成美学園です。


虎の威を借りてでしょう。
教育機関として恥を知ってほしいですね。


ただ、少子化と大学の大衆化は、私立高校の存在意義をも低下させていて、
有名大学への進学実績しか物差しが無くなってきていることも背景にあると考えらえれます。

敬愛大学「私の将来のことを考えてくれる大学」―パンフレットからみる大学(6)

静岡産業大学「オバケスイッチ」―パンフレットからみる大学(5) - TK独り言に続きまして。

今回は敬愛大学です。(日経進学ナビSmartパンフ)


「私の将来のことを真剣に考えてくれる大学」がキャッチフレーズ。
”考えてくれる”というところがミソなのでしょう。


将来のことなんて大人なのだから、自分で考えるもの。
大学はそのサポートはするとしても、主体はあくまで学生。
または根本的に、大学は学問をするところであり、将来や就職を考えるのは大学の知るところではない。


と考えるのが普通でしょうが、ユニバーサルアクセス時代は違うのです。


大学側がここまで関与する必要があることを、端的に表していると思い取り上げました。

学校法人のメリット 非課税、相続対策など

和田公人の学校の作り方という面白いページを見つけました。
学校法人のメリットの部分について抜粋したいと思います。

1.基本的に納税義務がなく、収益事業のみに低減税率での課税<和田公人の学校の作り方: 学校法人のメリット(1)より抜粋>

  • 通常、株式会社は、その利益に対して30%の法人税地方税である法人事業税などが課せられています。しかし、学校法人は、そのそも納税義務者に含まれていません。法人税法4条で、納税義務者が規定されているのですが、「内国法人は、この法律により、法人税を納める義務がある。ただし、公益法人等又は人格のない社団等については、収益事業を行う場合・・・に限る。」となっています。
  • 別表第2で、この公益法人が具体的に列挙されているのですが、社会福祉法人や宗教法人と並んで学校法人も明記されています。また、専修学校のみを設置している学校法人も含めると書かれています。ということは、法人税については、免税というより、そもそも納税義務がないということになります。
  • ただし、収益事業を行う場合は、納税義務があります。逆に言えば、収益事業以外は非課税ということになります。収益事業は、学校の運営を財政面で支援するために、収益を目的として学校法人が行う事業なのですが、何でも良いというわけではありません。日本産業分類に基づいて18種類が指定されています。18種類となると実質的にほとんどの業種が含まれ、禁止されているのは、貸金業、クラブ・キャバレー、武器製造、風俗業など、常識的に考えて教育になじまない業種に限られます。
  • 課税されるのは、収益事業に関する収益に対してであり、学校事業は課税されません。しかも、この収益事業への課税も22%(一般法人は30%)という軽減税率が適用されます。しかも、みなし寄付金制度があり、所得の半分か200万円までであれば、学校に寄付したとみなして、損金として処理できます。つまり、乱暴に言えば、利益の半分にしか課税されないということになります。
  • これは、学校法人は教育を目的とし、本来であれば、国や地方公共団体が税金で行うべき教育の一部を民間が担っているため、その目的のために使われるお金であれば課税しないという考えに基づいています。学校法人が収益事業で利益を出しても、それは学校のために使われることを予定しているわけですから、課税する必要がないというわけです。


2.消費税、固定資産税や不動産取得税なども非課税<和田公人の学校の作り方: 学校法人のメリット(2)より抜粋>

  • 消費税は、受け取る側が負担するのではなく、支払う側が負担し、学校は代理で受領するだけですので、税金がかからないことによる直接的なメリットはありません。しかし、支払う側が消費税の負担がないとなると、税金がかかる他の教育機関より、学費の負担が少なく、入学者が増えることが期待できます。
  • もちろん、消費税が非課税になるのは、授業料など教育に直接関わる部分のみで、教科書代などは課税対象になります。通常は、学校の課税対象の売上は少ないはずですので、課税業者となる1000万円を超えることは稀と思いますが、教科書などの物品を学校が販売したり、食堂を直営している場合は、課税業者になる可能性があります。
  • 消費税以外に、固定資産税や不動産を取得した際に課税される登録免許税なども非課税です。もちろん、これらも法律で規定されている学校の用途に使用する場合だけです。かつては、地価の上昇を見込んで、学校法人が土地を校地という名目で購入し、固定資産税を免れるという行為も見受けられました。いまでは、税務当局も実際に教育の用に供しているかを厳しくチェックするようになりました。しかし、校舎の近くで、運動場や自転車置場ということであれば、更地に近い状態で固定資産税を負担することなく、土地を保有できます。ただし、職員用の駐車場なら課税されるようですが。
  • 文部科学省がまとめたページ:私立学校関係税制:文部科学省


3.節税として利用できる寄付控除<和田公人の学校の作り方: 学校法人のメリット(3)より抜粋>

  • 学校法人が直接関わる優遇税制以外に、もう1つ税制的なメリットがあります。それは、寄付控除という制度です。
  • 寄付控除とは、学校法人に寄付をした個人や法人は税金が助かるという制度です。具体的には、個人は寄付金額が5千円以上(総所得金額等の40%が上限)の場合に、その金額を所得から控除、法人は、寄付金の全額が損金算入できるというものです。
  • 分かりやすく言い換えれば、個人は5000円以上寄付すれば、寄付した金額分を収入から引いて、所得税を計算し直します。サラリーマンの場合は、源泉徴収所得税を天引きされていますので、確定申告することで、税金が戻ってきます。個人事業主などで確定申告をする場合は、所得から寄付した金額を引いて申告できます。税率が10%の場合ですと、5000円寄付すると500円ほど税金が返ってくることになります。
  • また、確定申告が寄付をする障害になっているということから、年末調整で済ませることができるように法改正する動きがあります。年末調整であれば、学校法人から発行される領収書を会社に提出するだけですので、寄付をする人が増えることが期待されます。
  • 法人の場合は、全額が経費として認められますので、儲かってる会社であれば、税金で取られるくらいなら寄付をしても、会社としては同じことになります。そのため、社長が母校に多額の寄付をするということもあり得ます。
  • このような寄付控除の目的は、学校法人が広く寄付を集めることで、その運営基盤を強固にしようということです。学校法人は、そもそも国や地方公共団体が行うべき教育サービスの一部を民間が担っているわけですので、国民から税金で集めて学校法人に補助しても、国民が学校法人に寄付して税金を免除しても、結果的に同じということです。国や地方公共団体が配分するより、学校法人の自助努力で寄付を集める方が民主的とも言えます。寄付であれば、学校法人の教育成果に比例して、集まると考えることができます。
  • いずれにせよ、寄付控除があることで、寄付という形の資金が集めやすくなっています。株式会社が配当負担のある資本金や金利を払わなければならない借入でしか資金を集めることができないのに比べてはるかに有利と言えます。
  • ところが、実際には、日本ではアメリカなどに比べてあまり寄付が集まらないのが実情ではあります。日本には寄付の文化がないことに加えて、確定申告がネックになっているのでしょう。しかし、一部の伝統校などでは強力な同窓会が組織されて、多額の寄付が集まっています。また、企業からお金ではなく、商品を寄付してもらうケースも増えています。自社の商品であれば、お金で寄付するより、節税効果が高くなります。企業にしてみれば不要な在庫を処分しながら、経費に計上できるということになります。


4.同族経営が多い理由は、相続対策<和田公人の学校の作り方: 学校法人のメリット(番外)より抜粋>

  • 学校法人の税制面のメリットがもう1つあります。相続対策です。
  • そもそも、学校法人には相続という概念はありません。学校法人の財産は個人のものではなく、法人として引き継がれるもので、その財産の管理を委託されているが理事です。逆に言えば、この理事の椅子を引き継げば、学校法人を引き継いだことになります。役割を引き継ぐだけですから、相続税はかかりません。しかし、実質的に、法人の全権を引き継げば、相続したのに近い効果が生まれます。
  • つまり、理事のポストを円満に子どもに引き継げば、相続税を払うことなく、学校法人を相続できるということです。もちろん、学校法人を引き継いだからと言って、それを勝手に処分して個人財産とするこはできません。しかし、株式会社の場合、その株を相続するのに相続税が掛かることを思えば、有利であることに間違いありません。

創造学園大学 廃校の危機-----財政状況は深刻

創造学園大学 大学認可取り消し→廃校の危機 - TK独り言の続編です。

堀越学園、評価中止の解除求める : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
群馬県高崎市創造学園大学を運営する学校法人堀越学園(堀越哲二理事長)が、国が義務づけている認証評価の手続きを怠っていた問題で、同学園は21日、日本高等教育評価機構(佐藤登志郎理事長)から通知されていた「評価中止」の解除を求めた。

同機構によると、21日に堀越理事長ら3人が訪れ、自己評価書の未提出を陳謝。2009年度の決算の遅れと評価料425万円が都合出来なかったことを原因に挙げた。その上で、評価書もほぼ完成し、評価料も用意できたとして評価の中止解除を求めた。

これに対し、同機構は来週中に完成した自己評価書提出と評価料の納入を条件に検討し、再来週に結論を通知すると回答した。

読売新聞の取材に、同機構は、6月末の提出期限に学園側と必要な連絡がとれなかったことを指摘、「二つの条件のほかに、評価を受ける体制も見せてもらった上で評価が出来るか結論を出したい」(評価事業部)と話している。


評価料425万円が準備できていなかったことが原因だったとこと。
相当危機的な財政状況だと想像されます。


他にも学生寮の家賃を滞納しているとの記事もあります。

「創造学園大」の堀越学園、学生寮家賃を滞納 YOMIURI ONLINE(読売新聞)
群馬県高崎市創造学園大などを運営する学校法人堀越学園(堀越哲二理事長)が同市内で借り上げている学生寮の家賃約2000万円を滞納し、入居している学生と教職員約20人が家主から退去を迫られていることが2日、分かった。

学生は前払いで半年か1年分の家賃を学園側に払い込んでいるケースが多く、「お金を返してほしい」と訴えている。読売新聞の取材に対し、堀越学園事務局は「支払いが滞っているのは事実。近く払いたい」と話し、入居している学生らについては、市内に2か所ある別の寮に移ってもらう方針であることを明らかにした。

家主側関係者によると、この寮は鉄筋4階建てで、1997年から堀越学園が一括借り上げし、月額約180万円で30年間の賃貸契約を結んでいるという。

ところが、5、6年前から賃料の振り込みが遅れだし、2〜3か月滞納するようになったという。昨年夏以降は、滞納がかさみ、今年6月末時点で昨年8月分から計11か月分、約2000万円が支払われていない。

家主側は、3月末に学園に契約解除を通告、6月初めに改めて内容証明郵便で「2週間以内に滞納額を支払わなければ、契約を解除する」と通告したが、期限が過ぎても学園側からは応答がなかったという。

このため、家主側は賃貸契約の強制解除が6月19日で成立したとし、7月1日、学生寮を訪れ、事情を説明し、「退去」か「家主との直接契約」の選択を求めた。現在、40部屋のうち、約半分に学生と教職員が住んでおり、月5万円前後を家賃として学園に支払っている。

入居している女子学生(21)は「学校の経営がおかしいとうわさにはなっていたのでやっぱりなという思い。あきれている」と話していた。家主の男性は「教育機関だから、まさかこんなことになるとは思わなかった」と憤慨している。


もう終わってしまいそうですね。

ケーキバイキングで受験生確保---夏のオープンキャンパスが勝負を決める

最近電車には「オープンキャンパス案内」の中吊り広告が氾濫しています。
車両によっては8割方大学関係の広告が占めている場合もあります。
夏休みのオープンキャンパスは大学にとって受験生確保の正念場でもあります。
昔は大学受験勉強の天王山とか言って予備校の勧誘が盛んでしたが、今や大学側が熱心に受験生勧誘を行う時代なのです。

asahi.com(朝日新聞社):夏休み 来て見てキャンパス 受験生確保 あの手この手 - 教育
さあ、夏休み。この時期、全国の大学では、進学先を考える高校生と保護者向けのオープンキャンパスや、子ども向けのイベントが目白押しだ。ほとんどが無料で、普段は味わえない体験ができることも。これを機会に、いつもは敷居の高い大学の門をくぐってみては――。

■高校側「3校行け」

 11日、東京都板橋区大東文化大学であったオープンキャンパス。現役の女子学生が制服やカジュアルな服装の高校生を連れて、学内の施設を紹介するキャンパスツアーをしていた。

 学生が説明する。「ここはキャリアセンターです。就職のことをいろいろ相談します」。その後、「……厳しいんですよ、就職」と本音をぽろり。高校生たちの表情が緩んだ。

 友人と来た私立高校3年の林賢史さん(17)は「図書館に蔵書が多い。学びたいことがやれそう」と話した。高校の教師には「面接試験だと思って、服装、頭髪、態度に気をつけて」と言われたという。

 オープンキャンパスは高校生が夏休みになる7、8月に開く大学が多い。在学生のキャンパスツアーや現役教員による模擬授業のほか、入試説明会や個別相談会など受験、進学に直結した取り組みも増えている。

 最近は高校側が積極的に参加させている。大東文化大を見て回っていた2人の女子生徒は、神奈川県の私立高校に通う1年生。「いろんな大学をみて志望校を決めるよう、夏休み中に3校は行けと先生に言われた」

 オープンキャンパスに限らず、学級や学年単位で生徒を引き連れ、平日に1日がかりで大学見学に行く高校も珍しくはない。都内の成蹊大学には昨年、首都圏のほか愛知県や群馬県など約80校が大学見学に訪れたという。「高校にとっては、早めに将来のキャリアについて生徒に考えさせたいのでしょう」と大学関係者。進学指導に力を入れているとアピールしやすい面もあるようだ。

■ライバルと協力

 一方の大学は、来場者数を受験生確保につなげようと、工夫を凝らす。オープンキャンパスを夏休み前の5、6月、さらには新年度が始まる前の3月に開く。さまざまな無料サービスも用意しており、学食ランチや大学グッズのお土産は定番だ。

 保健医療経営大学(福岡県みやま市)は今年、ケーキバイキングと抽選による携帯音楽プレーヤー「iPod」のプレゼントをする。担当者は「ケーキを食べながら在校生としゃべれば、大学に関心を持ってもらいやすい」と話す。

 ライバルの大学同士が手を結ぶケースも。北九州市の九州国際、九州栄養、西南女学院の3大学は昨年、各大学を結ぶ巡回バスを走らせて掛け持ち見学ができるようにした。同じ福岡県内の政令指定市で、福岡大学など多くの大学を抱えるライバルの福岡市に対抗するアピールだ。今年は同じ北九州市内の西日本工業大学も加わる。

 「できるだけ多くの人に参加してもらいたい」という札幌大学は、北海道内の7市から札幌市内のキャンパスまで無料送迎バスを運行している。最も遠い函館市北見市からは車で片道5時間かかる。

■「在学生に質問を」

 大学がここまで必死になるのは、少子化に加え、大学の増加で志願者の獲得競争が激しくなったことが背景にある。ある女子大の担当者は、「いまのオープンキャンパスは、高校生の大学選びの中で大きなウエートを占めている」と話す。秋には大学で推薦・AO入試が始まるため、多くの高校生は夏までに第一志望を決める。そこで、夏休みに各地でイベントが盛んになるというわけだ。

 とはいえ、オープンキャンパスは、大学側が見せたい姿。リクルート発行の大学経営者向け専門誌「カレッジマネジメント」の小林浩編集長は「オープンキャンパスは在校生と話すチャンス。一方的に話を聞くのではなく、現役の大学生に積極的に質問して、教職員の言うことと違っていないか確かめること」と助言する。


個人的にはオープンキャンパスに行って何がわかるのかと思います。
が、これまでも何度か記載してきたように大学の大衆化は、進学に対して特段目的意識の無い層が大学を目指します。
そして受験生確保が何にもまして重要な中堅以下の大学は、この層をターゲットとするわけです。
ですから、オープンキャンパスの内容がより分かり易くなるのは必然といえます。
批判が多いでしょうが、ケーキバイキングも景品付きもまず大学を知ってもらう手段なのでしょう。
結果として大学のイメージを低下させていることとなっているとは思いますが。


先日掲載したiPadでアピール(3)共愛学園前橋国際大学 - TK独り言の中で、共愛学園前橋国際大学の入試広報センター長はこうおっしゃっていました。

「大学の生き残りはイコール学生募集だと思うんです」という岩田に同大改革で行った学生募集の手法について尋ねた。
「うちを志願する高校生の多くは進路を選択する際、いろんな大学を順に検討するのでなく、何か一つの視点や体験をもとに選ぶんです。大学に請求した資料に親切なメッセージがあったとか、進学相談会で説明してくれた人が役に立つ話をしたとか。
ひとつ良い点に目が行くと他もよいと思い込んでしまうのです。そこで、オープンキャンパスや進学相談会では、『良い感じ、体験』のみを与えることを心がけ、大学の中身も“良い感じ、体験”が多いものになるよう改善してきました」
『良い感じ、体験』を一貫して与え続けるためには大学がどういう方向で学生を教育していくか、どういう大学像をめざしているか、という学内の共通理解も肝要。キャッチコピーを作るのも効果的だという。同大は「ちょっと大変だけど実力のつく大学」を作った。


夏のオープンキャンパスが定員充足を決める。
厳しい勝負です。様々な企画がありそうで、興味深いですね。
気になるものがあったら取り上げていきたいと思います。

韓国サムスンに入社するための大学、ソフトバンクに入社するための大学

韓国の大学進学率と貧困率 - TK独り言などで、これまで何度か触れてきた韓国の大学事情。

今や韓国は日本の鏡と言える。
それは反面教師としての鏡。先例としての鏡。

2010年7月20日 日本経済新聞 「春秋」
韓国では、大学進学率が8割を超える。大卒の就職率は非正規を含めても60%台。
(筆者追記:せめて語学を身につけさせ、就職を有利にするため、海外指向も強い。)
採用する企業はこの程度では満足しない会社も出てきた。
厳しい就職事情を逆手に、有能人材を早めに手当てしている。最大手サムスン電子だ。


私学の成均館大学と組み、学部には半導体、大学院に携帯電話の学科をつくった。
全国から優秀な理科系学生を集め、企業が欲する未来の研究者を育てている。
学費も生活費も会社持ち。卒業後はサムスンへの入社が待っている。
担当教授はこれを「注文型教育」と呼んでいた。


日本では長い間大学在籍期間はモラトリアムで、会社側が新卒者を一から育てることが前提だった。
しかし、今や企業側もそんな悠長なことも言ってられないし、大学側も就職率は選ばれる大学になるための大切な指標となっている。
そんな中、韓国サムスンの取り組みは今後東アジアの潮流となるとなる可能性がある。
就職するための大学。企業に入るための大学。
それだったら企業が有償で教育を行い、選抜して社員にする。
企業からすれば理想的だ。
リベラルアーツのヨーロッパと科挙制を基盤にした東アジアの違いだ。
どちらがいいというわけではない。


日本でもソフトバンクが設立しているサイバー大学が似たような取り組みを始めている。
サイバー大学について参考:ソフトバンクの株式会社設立 サイバー大学世界遺産学部 定員割れで募集停止 - TK独り言

サイバー大学、ソフトバンクグループ通信3社長期インターンシップの受け入れと入社推薦制度の運用に合意 | サイバー大学
2010年7月5日、高校卒業後未就業でサイバー大学に入学したIT総合学部の在学生を対象に、ソフトバンクグループ通信3社における長期インターンシップの受け入れ実施(名称:「シゴト体験プログラム」、運用開始:2011年4月予定)および、入社選考における推薦制度の運用について合意しました。

「シゴト体験プログラム」は、サイバー大学に在学しながらソフトバンクグループ通信3社で最先端のビジネスを体験し、社会で活躍するために必要なスキルや知識を習得する給与支給型のインターンシップ制度です。学生は、営業・事務部門、情報システム部門、ネットワーク部門の3つの中から希望するコースを選択し、ITビジネスのプロたちから学び、協働することで、社会人基礎力やITビジネスで必要とされる専門スキルの習得、社会人となるにあたって必要な自己の確立、将来ビジョンの明確化を目指します。また、授業で学んだ知識やノウハウが、ビジネスの現場で起こる課題を克服するためにどのように活用されるのかを体感することで、座学だけでは到達が難しい真の理解へと導く高い教育効果が期待できます。

同プログラム終了後、ソフトバンクグループ通信3社への就職を希望する学生には、サイバー大学内の選考を経た上で、ソフトバンクグループ通信3社の入社選考に推薦制度が適用されます。

今後企業就職予備校的な形態の大学が増える可能性が大いにある。