保健医療経営大学〜開学3年連続定員割れ、充足率20%

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/165940
医療・福祉施設の経営などを専門的に教える保健医療経営大学みやま市)が4月で3年目を迎えた。
今年は新入生31人と3年次編入生10人が入学、3年連続で1学年の定員150人を大幅に割り込んだ。
同大は、保健医療経営への理解が浸透しておらず、学生の就職実績がないことが要因と分析。
橋爪章学長は「学習成果を社会にアピールできれば風向きは変わる」と、今年から始まる3年生の病院実習や就職支援に期待する。


同大は、久留米市聖マリア病院を運営する医療法人「雪ノ聖母会」が設置した、学校法人「ありあけ国際学園」運営の単科大学
2008年4月に開学したが、1年目の入学者は27人、2年目は24人にとどまっている。


正念場を迎えた3年目。同大は「病院の経営環境は厳しさを増しており、医療と経営に精通した人材への社会的要請は高まっている」として、広報活動や就職支援にさらに力を入れる方針だ。

たしかに正念場ですね。
充足がわずか20%です。

学年 定員 現員 充足率
1年 150人 31人 20%
2年 150人 24人 16%
3年 155人 37人 25%
455人 92人 20%

*2010年4月現在
*3年には編入学を含む
*2008年開学のため4年はいない


この大学のコンセプトは非常に面白いです。

http://www.healthcare-m.ac.jp/university/guide/needs.html
保健・医療・福祉分野というと、大半が医師、看護師、理学・作業療法士介護福祉士などの専門職が働く職場というイメージがあるかもしれません。しかしながら、例えば、病院では総職員数の約1割が事務職員です。その中にはいわゆる医療事務を主として担う職員もいますが、特に中小規模以上の病院では、総務、企画、会計、人事など一般企業における事務部門と同じ機能を担う事務職員がかなり存在します。今後は、このような事務部門における「経営」の機能向上が求められているのです。


本学では、我が国の保健・医療・福祉分野が将来にわたり適切に持続されることに貢献するため、保健・医療・福祉分野の経営を担う人材を育成することを目的として設立します。特に九州においては、人口当たりの病院数や医療従事者数が多い、医療費や介護費が高いといった特色を有しており、本学が九州の地に設置されることは大いなる意味があると考えています。


ただし、コンセプトがよくても響かないんでしょうね。
特に、高校生には。
医師、看護師、最近ではスポーツ派生の理学療法士などリハビリ系はなりたい職業としてイメージしやすいですが、当初から医療事務や経営に携わりたいとはなかなか思うに至らないのでしょう。
高校生のときに訪問販売の営業マンになりたいと思っている人間が少ないのと同じです。


では社会人入学を期待できるかといえば、これまた中途半端に映ってしまいます。
仕事を続けながら学ぶには、場所が悪すぎる。


大学としては、分野的にはニッチなので就職率が高いことを売りにして学生募集につなげたいと考えているでしょう。
あと2年ですか。


そうはいっても社会から求められる人材となるには、この医療経営の分野となると、病院経営の手腕発揮してからとなり、病院事務部門での中核を担うには10年後とかになってしまうのではないでしょうか。
そこまでもちますかね。大学が。
それともグループの病院で積極採用して、成果をアピールとなるのでしょうか。


そこまで、大学を持たせるために、チーム医療のアピールとして看護学部やリハビリ学部などの設置も考えたいところでしょうが、現在、保健医療経営大学は学部の改編や定員の変更ができない状態です。

http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ninka/huninka/1234862.htm
http://www.47news.jp/CN/200901/CN2009012801000615.html
文部科学省は申請書類に重要事項が欠けたりしたとして、「ありあけ国際学園」(橋爪章理事長)に今後5年間、新たな学部の設置や定員変更などを申請しても不認可とする処分を通知した。
07年4月、保健医療経営大(福岡県みやま市、08年4月開校)の新設を申請した際、申請書にない追加工事を、同省への変更手続きを怠ったまま実施。このため開学準備資金(約25億円)は約6000万円の財源不足となった。

2014年(平成26年)開設分まで、何もできないのです。
これこそまさに正念場!