危ない大学・消える大学 2011候補校を見てみよう<プール学院編>

危ない大学・消える大学 2011 ランキングの日記にて
【N】危ない大学・消える大学の候補校に挙げられたプール学院大学の状況を確認してみよう。
プール学院大学
1996年短大を改組して開学。国際文化学部のみ。
プールはイギリスから大阪に最初に派遣されたイギリス人主教A.W.Poole(英国聖公会)にちなむ。
大阪府堺市。駅からバスで10分ぐらい。
ニュータウンの整備の一環として大学があるという感じで環境はそんなに悪くなさそうです。
"なんば"からも30分程度とよさそうですね。
それなのになぜ?疑問は高まります。

情報開示が少なく現在の在籍者数はわかりませんでした。
良い結果を隠す必要はありませんから、状況は良くないことは明白でしょう。

2007年発行の自己評価報告書には以下のような記載がありました。

在籍者数 内留学生
818名 221名

2008年短大の自己評価には以下のような記載が。

入学定員 在籍者数 収容定員 収容率
240名 1,020名 734名 72%

※2008年5月1日現在

25%強が外国人(特に中国人のようだ)が占めており、その後の不況などを考えると更に厳しい状況である可能性高いです。

しかし短大は定員を超えていますね。
09年私立助成金 ランキング下位の大学(3)〜四条畷学園、清泉女学院、日赤秋田看護、松蔭 - TK独り言
に書いた、清泉女学院大学のように、地元志向が強い子女の中に短大は確実にニーズがあり、
逆に中途半端な学部の4大はニーズがないのが端的に表れている例と言えるかもしれません。

それにしても情報開示姿勢にはかなり問題を感じます。

この学校はキリスト教色は結構強いようです。
立教や青学はほとんど学生が意識することないようですが、ここは意識しそうですね。
元々宗教学校なのですから当然と言えば当然ですがこれが阻害要因となってしまっている可能性もあります。

本学では教授会、運営委員会など主要な全学的会議にはチャプレンが出席して、祈りをもって始まり終わること、授業がある日は毎日午前に15 分のチャペルタイムをもつことなど、キリスト教精神の確認の場をもっている。祈りは、その時々のテーマに即した内容を持ち、チャペルタイム時の話題もその時々の内外の話題や学生の現状にかかわるものである。

あまり特徴ないなというのが、逆に印象です。
少し気になるのは2010年から募集停止を行っている聖トマス大学になんとなく似ている気がして。
特異な校名。キリスト教系。
都市部から比較的便利な所にあるのに、あまり活気を感じない。
学部などもあまり特徴的ではなく、どこにでもあるような気がする。
聖トマス大学のホームページを見て、廃校になることはすごく悲しいことだと思いました。
母校がなくなるというのは悲しいことですね。

ですからこの大学には私のこれまでの主張とはまったく違いますが、、、
校名変更推奨大学に認定致します。

国際文化大学とか泉ヶ丘大学なんていかがでしょうか?

★2009.3.17追記
文部科学省大学等の設置認可申請書類等の公表ページというのを発見しました。
ここには、学部学科新設、定員増減などを行う際の申請書を公表するページです。
自校で開示しない場合でも、ここでは開示されてしまうようです。

そのうち、プール学院大学 収容定員変更に係る学則変更に以下のような記載がありました。
ここでは、現在の在籍者数も公表されています。

収容定員 在籍者数 定員超過率
1,040名 738名 70%

a 学則変更(収容定員変更)の内容
国際文化学部国際文化学科の入学定員を現行100名から60名に変更(減)する。
b 学則変更(収容定員変更)の必要性
国際文化学部国際文化学科における過去5年の平均入学定員充足率は、76%である。平成19年度は80%、平成20年度は60%、平成21年度は68%となっている。
本学は、本年8月に入学者確保に向けて入試広報戦略会議を立ち上げ、8月から11月にかけ、受験生のニーズ及び入学志願者の動向について情報を収集するため高校の訪問調査及びアンケート調査を行った。対象とした高校は、本学の国際文化学科の志願者の7割から8割が大阪府南部泉南地域及び和歌山県・市の高校生であることから、大阪府南部泉南地域及び和歌山県・市の高校のうち例年入学者が多い30校(入学者の約7〜8割を占める。)を選び調査を行った。
調査内容は、(1)国際文化学科に対する要望、意見及び志願者の動向、(2)和歌山県・市において平成22年度に計画している「異文化間協働リーダー育成プログラム」についての要望及び参加希望者の有無である。
調査結果を分析すると、
(1)訪問調査を行った30校のうち9割を超える高校から国際文化学科への期待があり、高校生の興味・関心も高く、志願者は従来と同様にいる。
(2)「異文化間協働リーダー育成プログラム」への参加を希望する高校が3校有り、10〜20名の志願者を獲得できる見込みが有る。
大阪府南部泉南地域から和歌山県・市の高校以外の高校からの志願者は漸減しているが、全体的には70名から90名の入学志願者は確保できる見込みがついた。
以上入学定員充足率の推移及び高校の訪問調査及びアンケート調査の分析を踏まえ、入学定員の適正化を図るため現行100名から60名に変更(減)する。
c 学則変更(収容定員変更)に伴う教育課程等の変更内容
国際文化学部・国際文化学科において、入学者を確保するため新たに次の2つの方策を実施することとした。
(1) 志願者が多い和歌山県、市内在住の高校生を対象にした特別奨学生プログラムを策定し、実行に移すこととした。このプログラムは、和歌山県、市、教育委員会和歌山市商工会議所と連携し、和歌山市内で各種のフィールドワークを中心とした「異文化間協働リーダー育成プログラム」であり、本学の連携指定校3校からすでに希望者がでている。
(2) 海外連携指定校として韓国の高校(崇徳高校)と協定を平成21年11月締結し向学心の高い身元がしっかりした留学生4名の入学を決定した。今後韓国の他の高校とも海外連携指定校協定を結び質の高い身元のしっかりした入学者を確保することとしている。
また、ミャンマー日本人学校とも連携協定を結び質の高い向上心を持った留学生を来年度1名入学させることとした。今後は、人数を増やしていく方向で検討を進めることとしている。

アンケートしたところニーズは減ってるが確実にあるというのが定員を100名から60名にした理由とのこと。
70名から90名の志願者が集められるって、もちろん志願者は他校も受験するわけですよね。
集まらないリスク高くないですか??